OpenAI APIでGPT-5.6を使おうとすると、Sol、Terra、Lunaという三つの名前が出てきます。どれもGPT-5.6ですが、想定される仕事と料金は同じではありません。
とくに確認しておきたいのが、モデルIDのgpt-5.6です。この名前は三モデルから自動的に適したものを選ぶのではなく、最も高い能力を持つSolへ振り分けられます。gpt-5.6をそのまま指定すると、求める品質に対して必要以上の費用を払う可能性があります。
この記事で扱うのは、ChatGPTの月額プランではなく、OpenAI APIの従量料金です。2026年8月9日に確認した公式資料を基に、三モデルの違いと、小さな業務ツールでの比べ方を整理します。
「gpt-5.6」は3モデルを自動で選ぶ名前ではない
GPT-5.6には、Sol、Terra、Lunaがあります。OpenAIはSolを複雑な専門業務向けのフロンティアモデル、Terraを能力と費用のバランスを取るモデル、Lunaを費用を重視する大量処理向けのモデルと説明しています。
ここで気を付けたいのが、末尾に名前が付かないgpt-5.6です。公式のモデル案内では、このエイリアスはgpt-5.6-solへ振り分けられます。処理内容を見てLunaやTerraへ切り替わる仕組みではありません。
既存の設定をgpt-5.6へ書き換えるだけなら、利用するのはSolです。Solが必要な仕事なら問題ありませんが、決まった項目の抽出や大量の分類にも同じモデルを使うべきかは、料金と結果を見て決める余地があります。
入力料金はLuna 0.20ドル、Terra 2ドル、Sol 5ドル
OpenAIが公表している100万テキストトークン当たりの料金は次のとおりです。
| モデル | 入力 | キャッシュ済み入力 | 出力 |
|---|---|---|---|
| GPT-5.6 Luna | 0.20ドル | 0.02ドル | 1.20ドル |
| GPT-5.6 Terra | 2.00ドル | 0.20ドル | 12.00ドル |
| GPT-5.6 Sol | 5.00ドル | 0.50ドル | 30.00ドル |
SolとLunaを比べると、入力も出力も25倍です。TerraとLunaの差は10倍あります。処理件数が少ないうちは差が小さく見えても、同じ作業を毎日繰り返す仕組みでは、モデルの選択が費用へ直接影響します。
概算費用は、入力トークン数を100万で割って入力単価を掛け、同じように計算した出力費用を足せば求められます。検索やコンピューター操作など、別料金のツールを使う場合は、その料金も分けて確認します。
三モデルとも、公式ページの無料利用枠のレート制限欄は「非対応」です。試験であっても従量料金が発生する前提で、利用上限と記録方法を先に決めておく方が安全です。
扱える長さと主要機能は3モデルで共通する
料金が安いLunaだけ、短い入力しか扱えないわけではありません。公式の比較表では、三モデルともコンテキストウィンドウは105万トークン、最大出力は12万8,000トークンです。知識の基準日も2026年2月16日でそろっています。
ストリーミング、関数呼び出し、構造化出力、画像入力も、三モデルすべてが対応しています。長い資料を渡せるか、決まったJSON形式で返せるかという機能だけでは、モデルを一つに絞れません。
ただし、扱える長さと通常料金は別です。27万2,000トークンを超える入力では、入力料金が2倍、出力料金が1.5倍になります。キャッシュへの書き込みも、通常の入力料金の1.25倍です。大量の資料を毎回そのまま送る設計では、モデル選びだけでなく、入力を減らす方法やキャッシュの使い方も検討する必要があります。
また、三モデルはテキストの入出力と画像入力に対応しますが、音声と動画には対応していません。長い入力が使えることを、あらゆる種類のデータを直接扱えることと混同しないようにします。
Luna・Terra・Solは仕事の量と複雑さに合わせて候補を変える
三モデルを「安い・普通・高い」だけで分けると、仕事との対応が見えません。公式の説明に沿えば、Lunaは費用を抑えたい大量処理、Terraは能力と費用の両立、Solは複雑な専門業務が出発点になります。
AIやまらぼで候補を分けるなら、Lunaから試すのは、同じ形式のデータを繰り返し分類する仕事です。記事候補へカテゴリーを付ける、決まった項目をJSONへ抜き出す、禁止語が含まれる箇所を列挙するといった処理が考えられます。正解の形式を決めやすく、人が結果をまとめて確認できるためです。
Terraは、費用だけでなく文章の整合性も見たい日常業務の候補にします。記事構成の比較、既存文の修正案、複数条件を反映した下書きなどです。Lunaでも合格条件を満たすなら下げ、満たさない場合にTerraを残します。
Solは、複数の資料と制約を同時に扱う仕事や、見落としの影響が大きい仕事でTerraと比較します。ただし、Solを使っただけで結果が正しいとは限りません。最上位という名前ではなく、実際の出力が合格条件をどれだけ満たしたかで判断します。
同じ仕事と合格条件で、品質・時間・費用を測る
モデルを比べる前に、日常業務から代表的な入力例を用意します。都合のよい一例だけでなく、短い入力、長い入力、判断が分かれやすい入力を含めます。モデルごとに指示を変えると比較しにくいため、最初は同じ指示と同じ出力形式を使います。
次に、出力を見る前に合格条件を決めます。たとえば記事候補の分類なら、指定したカテゴリーだけを使う、URLを変えない、根拠のない説明を加えない、JSONの項目を欠かさないといった条件です。文章なら、一次情報にない数値を加えない、指定語を自然に含める、見出しと本文を一致させるなど、用途に合わせて確認します。
記録するのは正誤だけではありません。入力と出力のトークン数、処理にかかった時間、再試行の回数、1件当たりの費用も残します。OpenAIのモデル案内も、代表的な仕事で品質、必要な根拠、トークン数、待ち時間、費用を比較するよう勧めています。
最初から三モデルすべてを常用する必要はありません。公式の用途説明に近い二モデルで比較し、安い方が合格条件を安定して満たすなら採用する。満たさない場合だけ上位モデルや推論設定を試す方が、違いを確認しやすくなります。
AIやまらぼでは公開前の確認をモデル選びから分ける
AIやまらぼの記事制作でGPT-5.6 APIを使うなら、候補の分類や項目抽出はLuna、構成や下書きはTerra、複数の公式資料をまたぐ事実確認はTerraとSolの比較対象にします。これは各モデルの性能を保証する決め方ではなく、試験を始める順序です。
どのモデルが合格しても、記事の本番公開は自動化しません。一次情報と本文の照合、料金や提供条件の再確認、画像と代替テキストの確認を人が行い、公開操作を分けます。顧客への送信、契約、会計処理、既存データの削除も同じです。
モデルの費用と、誤った結果を外部へ出したときの影響は別に考える必要があります。安いモデルでも確認しやすい仕事なら使えます。高いモデルでも、公開や確定を任せてよい根拠にはなりません。
GPT-5.6へ移行するときは、まずコードや設定にあるモデルIDを確認します。gpt-5.6ならSolです。そのうえで、同じ仕事をLunaやTerraでも試し、合格条件を満たす最も安い構成を選びます。モデル名の印象ではなく、自分の仕事で測った結果を残すことが、次の見直しにもつながります。
参照したOpenAI公式資料
