【アニメ】『この世界の片隅に』のレビュー感想「原爆投下シーンに込められた意味」

こんにちは、やまとーるです。

Amazonプライムビデオで無料視聴した『この世界の片隅に』のレビュー感想です。

 


原作は未読ですが、原作者:こうの史代さんの『夕凪の街 桜の国』というマンガは読んだことがあり、この作品についても後半に紹介しようと思います。

戦争を題材にした映画ということもあって、「感動した」とか「よかった」という感想は不適切かもしれませんが、

それはあくまで作品に対してのことであり、「戦争を美化する意図は一切無い」ことを先に記しておきます。

※ネタバレがあるので注意してください。

『この世界の片隅に』を視聴してのレビュー感想

戦時中の悲しみだけを描いた物語では無く、そこに生きた人々の日常を感じられる素晴らしい作品でした。

 

どこか抜けているけど朗らかで憎めない主人公のすずさんや、

戦時中だからこそ手を取り合う家族や仲間の明るさが、

当時を知る由もない自分にとっては”救い”になり、

辛く苦しい時代、だけど希望もあった」ということが作品全体から伝わってくるような気がしています。

 

もちろん本当のことは分からないし、勝手な想像も入っています。

ただこの作品のように「戦時中の日常を濃く描くこと」も、戦争の悲惨さを伝える方法の一つなんだと感じました。

この作品に触れられて本当によかった。

原爆投下シーンに込められた意味

この世界の片隅にレビュー感想
引用:cinema cafe.net

この作品には色んな印象的なシーンがあるんですが、その中の一つ「原爆投下シーン」を取り上げてみます。

 

あの10万人以上もの命を奪った原爆投下シーンが、作中ではあまり残虐に描かれていません。

(すずさんと晴美ちゃんを襲った不発弾(時限爆弾)の方が痛々しく表現されている)

 

これについては色々な事が考えられますが、

終わりは一瞬だった

というあっけなさを表現しているのかなと思いました。

 

敗戦を告げるラジオを聞いたすずさんが、珍しく感情をむき出しにしてこう言います。

 

そんなん、覚悟の上じゃないんかね
最後の一人まで戦うんじゃなかったんかね

 

 

飛び去っていく うちらのこれまでが
それでいいと思ってきたものが
だから我慢しようと思ってきたその理由が

 

 

あぁ 何も考えん ぼーっとしたまま死にたかったなぁ

 

『この世界の片隅に』作中より

この世界の片隅にレビュー感想

 

戦争に負けたという悔しさもあるとは思いますが、

「何のために我慢してきたんだ」

「何のために死んできたんだ」

「何のために…」

という虚無な気持ちが痛いほど伝わってきます。

 

厳しい時間の中で少しずつ積み上げていったものを一瞬で消し去った原爆、そして戦争。

二度と繰り返してはならないと思います

(現代では形を変えた“戦争”が数多くあるけど…)

『この世界の片隅に』の声優、不安からの手のひら返し

この世界の片隅にレビュー感想
引用:この世界の片隅に公式サイト

作品制作についての感想も書いていきます。

 

まずは主人公のすずさん演じる「のん」(能年玲奈)

アニメ好きな人なら分かっていますよね、芸能人を声優に適用する恐ろしさを。

(もちろん上手な人もいる)

しかし『この世界の片隅に』では「すずさん=のん」で間違いないと感じました。

うまいです、ハマってます。

すずさんのマイペースな感じが出ていて素晴らしいです。

 

あまちゃんはやっぱり才能の塊じゃった…

 

そして「音響」が凄かった。

ヘッドフォンを付けて見ていたんですが、本当に細かいところまで音が鳴っていて驚きました。

戦闘機や爆発の迫力、そして当時の生活音の臨場感が特に良かったです。

 

アニメーションに関しては言わずもがな。

細かい動きや柔らかさの伝わる表情までよく作り込まれていたと思います。

よく「作画がいい」と言いますがそんなレベルの話では無く、

動きだけで人を感動させることの出来るアニメーションだと思います。

『この世界の片隅に』 制作は株式会社MAPPA

この世界の片隅にレビュー感想

MAPPAはこの作品で日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞を受賞しました(すごい)

資金集めをクラウドファンディングで行ったというのも記憶に新しいですね。

これからもアニメの新しい未来を切り開いていって欲しいです。

 

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佐賀県を舞台に死んでゾンビになってしまった女の子たちがアイドルを目指すという意味が分からない設定ですが、

それぞれのキャラの魅力が十分引き立つストーリーと世界観に引き込まれること間違いなし。

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こうの史代『夕凪の街 桜の国』の紹介

ネットか何かで「このマンガがすごい」というのを見てとりあえずKindle版を買って読んでみたらおもしろかったマンガです。

『この世界の片隅に』と同じような作風ですが、こちらは戦後の話を描いているのでまた違った発見があります。

こうの史代さんしか描けない「細かいけれど温かみのある絵」はデジタル全盛期の時代だからこそ映えますね。

 

話は少し飛ぶけど、日本がエンタメ系で世界と戦うなら「マンガ・アニメ」しか無いと思うんですよね。

このブログでも何度か言ってるけど、本気でそう思ってます。

だから日本の映画業界はマンガ・アニメを実写映画化して陳腐化させるのは止めて、

マンガ・アニメとして再度ブラッシュアップして世界に送り出して欲しい。

それだったらクラウドファンディングも成功すると思うんですよ。

何回マンガ・アニメ原作の実写映画が爆死したら気が済むのか…

 

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延期の発表があったけど、長編版の『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』の公開も待ち遠しいです。